ロサンゼルス・エンゼルス所属のプロ野球選手・大谷翔平。最近ではアメリカン・リーグMVP2年連続受賞を逃しましたが、最終候補まで残ったことが話題となりました。
大谷選手はプロとしては非常に珍しい、投手と野手を兼ねた「二刀流」で活躍する選手です。2021年には日本人2人目となるアメリカン・リーグのMVPに輝き、翌・2022年にはMLB史上初の投打ダブル規定に到達するなど、その規格外の強さは留まるところを知りません。
実力はもちろんのこと、大谷選手は審判やボールボーイへの紳士的な対応、丁寧なファンサービスなど人柄の良さでも知られています。
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そんな大谷選手の行動の中でも話題を読んでいるのが、試合中にグラウンドのゴミを拾うというものです。
大谷選手はフィールドやベンチのそばに落ちたゴミを拾うことがよくあり、その様子がたびたびメディアに取り上げられます。
今回のテーマは、この「大谷翔平のゴミ拾い」です。
この記事では、大谷選手がゴミ拾いを始めたきっかけや、彼がゴミ拾いを続ける動機について考察し、私見を述べたいと思います。
一人ひとりが大谷選手を見習って意識を少し変えるだけで、世の中や地球環境はかなり良くなると思うのです。
大谷翔平はなぜゴミを拾うのか?
そもそも大谷選手はいつ、なぜゴミ拾いを始めたのでしょうか。
そのきっかけは、2015年にチームの先輩である稲葉篤紀(元日本代表監督)がベンチ前のゴミを拾ったのを見て感動し、その行動を真似るようになったとの情報があります。
しかし大谷選手のゴミ拾いそのものに対する意識は、もっと前からあったと思われます。彼がゴミ拾いについて触れた最初の記述は、高校一年生の頃にまで遡ります。
高一で、目標達成のためのマンダラチャートを作成
大谷選手は花巻東高校・一年生のときに、「ドラフトで8球団から1位指名される」という大きな目標を達成するため、細分化した目標を81マスに分けて書き込んだ「マンダラチャート」を作りました。
これが実際に大谷選手の作ったマンダラチャートです。
出典: https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/04/23/gazo/20200423s00001007038000p.html
8球団からの1位指名というゴールのもとに、体づくりやメンタル、変化球、人間性といった8つの柱を置き、それぞれをさらに具体的な8つずつの目標に分けています。
右中央の目標である(投球)スピード160km/hは、当時は高校野球どころかアマチュア球界全体でも前人未到の球速。
大谷選手はこの驚異の記録を、高3の夏に岩手大会で見事に叩き出しています。大谷選手は高校生の頃から、目標達成のために綿密な計画を練って、それを日々実行できる人だったということがお分かりいただけると思います。
さて、上のマンダラチャートを見てお気づきになった方はいるでしょうか。
「運」の項目の中に「ゴミ拾い」があります。メジャーリーグに入った今でもゴミを拾い続ける大谷選手ですが、高校生の頃にはすでにゴミ拾いを「運を呼ぶための行動」として位置づけていたのです。
There was some trash on the ground as Shohei walked to 1st base.
He, of course, picked it up.
What can’t this man do? pic.twitter.com/LfOmawrNo5
— Barstool Sports (@barstoolsports) June 18, 2021
一塁へ向かう途中にゴミを拾ってポケットに入れる大谷選手。
「人が捨てた運を拾い、ツキを呼ぶ。」佐々木洋監督の教え
実はこの「ゴミを拾う」という教えは、花巻東高の恩師・佐々木洋監督によるものでした。以下、野球専門メディアのFull-Count(フルカウント)の記事に書かれている、佐々木監督の台詞の引用です。
「ゴミは人が落とした運。ゴミを拾うことで運を拾うんだ。そして自分自身にツキを呼ぶ。そういう発想をしなさい」 (“【無料登録で読める】「ゴミを拾って運を拾う」 大谷翔平を球宴二刀流1勝へ導いた恩師の教えと感謝の思い”)
「ゴミを拾って自分にツキを呼ぶ」。
大谷選手は佐々木監督のこの教えを守り、ゴミを拾い続けているのでしょう。
大谷選手がこれまで運を上げてこられたか?
「ツキ」を自分に呼び込むことができていたのか?
その答えは、野球の歴史を塗り替えるような彼の活躍を見ればいうまでもありません。
One thing I forgot to share from last night is when Ohtani was walking by in between innings he saw trash on the ground and he stopped and picked it up and put it in the trash can. He’s such a good person. 🥺🥺🥺 pic.twitter.com/uVHeJA7n85
— Miguel Trucha (@HalosBeisbol) July 20, 2021
イニング(回)の合間にゴミを拾う大谷選手。
大谷翔平はゴミ拾いで心を清めている?
高校生の頃からゴミ拾いを大事な行動として意識し、今でもそれを続ける大谷選手。
そんな彼にとって、ゴミ拾いはいったい何をもたらすのか。
「ツキ」とは具体的にどういうことか。それらについて少し考えてみたいと思います。ここからは完全に私見です。
私は、大谷選手は「ゴミを拾う」という行為によって、心を清らかな状態に保っているのではないかと思うのです。
大谷選手にとってスタジアムとは何でしょう。
練習の成果をすべて出し切り、最高のパフォーマンスを発揮するための大事な場所です。
まさに、犯すことのできない神聖な場所であるといえるのではないでしょうか。そんな試合会場を清潔に保つことは、心の中を清浄に保ち、コンディションを整えることに直結しているだろうと私は考えるわけです。
またゴミを拾う大谷選手の行為には、彼の心の余裕が表れているのではないかと私は思います。
試合中にゴミを拾うということは、ゴミが見えているということ。
そして、ゴミが見えるほど周りをよく見ているということだと思うのです。
相手選手や味方選手の動き、心理状態。様々な要素を瞬時に判断する必要がある野球において、余裕を持つことは非常に重要であるといえるでしょう。
ベンチ脇やフィールド内に落ちたゴミに目が行き届く大谷選手には、相当な心の余裕があるのではないでしょうか。
「ゴミを拾う」という行為そのものも大事である一方で、「ゴミを拾えるだけの心の余裕」も、彼の強さのひとつなのではないかと私は考えます。
「ツキ」とは何か、というのを科学的・論理的に解き明かそうとするのは野暮かもしれません。
しかし、ゴミ拾いによって清められたメンタルや、落ちている細かいゴミに気づくほどの余裕が彼に良い結果をもたらしており、それこそが「ツキ」の正体である、という考え方もできるかもしれません。繰り返しますが個人の見解です。
一日一個ゴミを拾ってみませんか?
大谷選手の行動は彼自身に「ツキ」をもたらす以外にも、多くの人に影響を与えていると思われます。
この記事を執筆した当時、Googleで「大谷翔平 ゴミ拾い」というキーワードが、月間約1,200回検索されていました。
また同時点で、先ほど引用した大谷選手がゴミを拾うツイッターの動画には、4,500件以上もの「いいね」がついています。
全員がいいねをするわけではないので、この情報だけを見ても大谷選手のゴミ拾いは数万人、数十万人もの人の関心を集めているものと思われます。
さて、これを読んだあなたも一日一個ゴミを拾ってみませんか?
ゴミを一個拾うことで地球がゴミ一個分きれいになります。
「ゴミ一個分なんて大したことない」と思うかもしれませんが、あなたの行動を見た人が真似してゴミを拾えば、さらにゴミもう一個分地球がきれいになります。
そしてまた、別の誰かがそれを真似することによって、「ゴミ拾い」という行動が多くの人に広まっていきます。
大谷選手ほどの知名度と影響力がなくても、自分の周りにゴミ拾いを広めていくことで、地球環境保護に少なからず貢献することができるのです。
また職場や家など身の回りにあるゴミを拾うことで、心を清らかな状態に保つことができるのではないかと思います。
職場でゴミを拾うことは仕事の効率アップにつながるでしょう。ゴミで溢れかえった仕事場よりも片付いた職場の方が、視界や心に邪魔が入らず集中できるのではないでしょうか。
お家の中でも、ゴミを拾い居住空間を清潔に保つことで、リラックスして過ごすことができると思います。
ゴミ拾いは心を清らかに保ち、環境を自らの手で守るための重要な取り組みであると私は考えています。
ゴミ問題を解決するのが、我々の願いです。
特にプラスチックゴミは環境に大きな悪影響を与えています。
ポイ捨てされたプラスチックゴミは、劣化する過程で地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出したり、海に流れ着いたゴミを餌と間違えて食べた魚が餓死したりと、地球環境に深刻な被害をもたらします(関連記事:日本・世界のプラスチックゴミ問題の現状 | 株式会社ファー・イースト・ネットワーク)。
これらの問題に対処するために努力することが、我々ファー・イースト・ネットワークの使命だと考えています。
プラスチックゴミ問題を解決し、少しでも良い世界を子孫に残したいと考えています。
目の前のゴミを拾うことが、地球環境や海の生物を救うことにつながるのです。一日一個だけでもゴミを拾うようにすれば、世界は変わるかもしれません。
私も大谷選手ほどの影響力はありませんが、少しでも地球の環境を守るべく日々活動しています。
あなたも、地球環境に目を向けるということを、身近なゴミ拾いからはじめてみませんか?
今回の記事は以上でございます。最後までご覧いただきありがとうございました。