2019年9月9日の週刊循環経済新聞記事から、
以下の要点を抜粋し、所見を加えました。
1.廃プラの輸出について、「日本の港での検査の厳しさは変わらない。全量検査が続く」
以前であれば、輸出先の検査が厳しくて輸出できないことはあったが、最近は日本の港から廃プラの輸出品について積極的に検査しているようです。
バーゼルの申請手続きなどあったものの、形骸化していた部分を港の水際で真剣に検査しているとのことで、本気度を感じます。
まったく形骸化していた検査としては日中商品検査もありましたね。
日中商品検査を合格しても、中国の港で指摘があれば輸出できませんでした。今日中商品検査をやっていた会社はどうなったんでしょうか。
2.廃プラ輸出先のメインはマレーシア
「7月の輸出量は1万8295トンで累計14万トンまで伸ばしトップの座を守った。」
今日本からの廃プラの輸出先の順位は、1位マレーシア2位台湾3位ベトナム4位韓国5位タイ、となっています。
マレーシアは厳しくなったり、緩んだりですね。徐々に厳しくなる方向性に変わりはないと思われます。一時はベトナムとタイ向けもだいぶ伸びていましたが、特にタイはPETフレーク以外は厳しくなった印象ですね。韓国もPETフレークが出ていたようですが、日韓の関係性悪化が響く可能性もありそうですね。
台湾は、昨年10月から規制は厳しくなったものの、良い品質のものについては安定して輸入しているようですね。
3.インドの動向
「インドが累計で1.5万トンまで近くまできた」
輸入ライセンスの取得が難しいと聞いていますが、インドがスクラップの輸入をジリジリと伸ばしていますね。ただ、日本からだと遠く、アジア地域より船代がかかることがネックになりますね。
4.PETボトルのプレス品の輸出は厳しい
「PETくずのフレークが増えたのは、プレス品の検査が厳しくなったため」
そうなんですね。プレス品の検査が厳しくなっていることがフレーク増加の背景だったのですね。
5.「中国系オーナー企業で日本国内でリペレット機を入れた事業者が
増えてきた」
日本各地に中国型の工場が増えましたね。全社ではありませんが、従業員の確保には苦労しているようですね。結局、中国から作業者を「観光ビザ」で呼んだ中国人を工場作業させているケースもあると聞く。入管の査察が入れば、稼働停止になることは間違いないのだが、こんなことからも日本国内の労働力不足が垣間見れる。
結局は、日本国内で発生した廃プラは日本国内で再生加工する、という王道を心がけていることがリサイクル事業の経営を将来も安定させていくには重要なことであろう。
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