POLYSTAR 押出機 Repro-Direct 標準仕様の解説

台湾のナンバーワンブランドPOLYSTARの押出機の見積を皆さんにお送りした時の仕様書について解説をしていきたいと思います。ここではカスタマイズなしの標準仕様ということで解説します。

このページで解説をするのはPOLYSTARのなかで最も汎用的な機種Repro-Directの標準仕様について解説をします。動画バージョンはこちらです。

一番汎用的な押出機という形になっております。ホッパーがありましてこの押出機があってこのあとペレタイザーあるというこれ以上ないというようなシンプルな形になっております。シンプルであるがゆえに非常に対応力に幅広くて硬質でも軟質でもなんでもできる、ただし粉砕という前処理はしていなければいけないのですがいろんなタイプの樹脂に対応できるという点においては非常に汎用性が高い押出機という事がいえると思います。

参考記事:POLYSTAR押出機 Repro-Dorect詳細紹介ページ

押出機に標準装備されている周辺機器

(1)(2)スクリューコンベア

ホッパーがありましてスクリューコンベアに材料を供給します。ホッパー上にフレコンを吊るなりすればそこから下のホッパーに入ります。押出機の上のホッパーには満タンセンサーがついています。自動制御で無人化で供給することが可能になります。押出機上のホッパーの中にあるスクリューはホッパーの中にある押込み装置の事です。通常硬質プラスチックの粉砕であれば押し込む必要性はないのですが、軟質フィルムの粉砕品をホッパーに入れて加工するという事になりますと、かさ比重が軽いのでブリッヂが起きたり、食い込みが悪かったり(生産量が下がる)、あるいはサージングが起きたり(生産が不安定)という事が起きてきます。

その問題を解決するために、ホッパー内にはらせん状のスクリューを縦設置して押出機のスクリューに押し込んでいくという装置を設置しています。これが標準でついています。

これは生産量増大のための食い込み強化のためにつけています。

(3)ベント

押出機のシリンダーにベントが1つあいている場合、2つあいている場合、当然ない場合もあるのですがリサイクルの場合は最低1つはつきます。そしてPOLYSTARの場合は脱ガス性を高めるためにダブルベント(2つ)を採用しています。

(4)スクリーンチェンジャー

デュアルピストンスクリーンチェンジャータイプを採用しています。昔のタイプですと押出機に1個だけスクリーンチェンジャーが普通でした。この網が異物で詰まった場合、交換するときは押出機のスクリューまで止めていました。

これをデュアルピストンのスクリーンチェンジャーですと止める必要がないのです。2つありますから一方が詰まってももう一方で生産を継続しながら、一方の網づまりの網を交換するという作業ができるのです。こういう事でよりロスが少なく連続生産ができるというのがデュアルピストンスクリーンチェンジャー、これが標準装備になります。

通常のスライドタイプのものあるのですがこれを選択することも可能になります。

(5)金属探知機(付属せず)

これはベルトコンベアの場合であれば金属による破損を回避するためにベルトコンベアにドイツセソテック社製の金属探知機をつけますけれどもスクリューコンベアの場合これはついておりません。なぜかというとスクリューコンベアの場合は当然その前に粉砕をしているはずなのです。その粉砕機に金属などが入っていると粉砕機がダメージを受けてしまいます。ですから粉砕機に入れる前に金属探知をするべきであって粉砕されて出てきたものに関しては金属はないという設定でスクリューコンベアには金属探知機をつけておりません。

(6)遠心分離の脱水機

ホットカット方式で生産したペレットは水を含んだまま流れてきます。それを遠心分離脱水機の中に入れ、内部では羽が高速で回転しています。ペレットがブレードに強くあたりますと衝撃で水が飛びます。これによってペレットを遠心分離に脱水をします。

(7)ホットカットのペレタイザー

ホットカット式が標準です。ストランドは選択も可能です。料金も変わりません。ただ何もご要望がなければ標準はホットカットペレタイザーを標準としています。ホットカットペレタイザーは回転数の自動制御システムを採用しています。ペレットを均質な形に保つことができます。

(8)エアシリンダーシステム

ペレタイザーの回転刃をエアシリンダーで圧力を自動調整することができます。回転刃の圧力調整は、トラブルが多いか少ないかに大きくかかわり、作業者の習熟度によって、差が出ていたのです。
エアシリンダーシステムにより、作業者の熟練度によるセッティングの差をなくすことに成功しました。今までは熟練した人がやるとトラブルは起きないのに、熟練していない人がやるとトラブルが多発するという事がよく起きていました。これをエアシリンダーで誰がやっても一定の圧力を保てるという形にしたのがこのエアシリンダーシステム。(7)と(8)のホットカットのペレタイザーシステムはPOLYSTARがヨーロッパ製とほぼ同じ機能・性能の装置を装備しながら、価格は半額以下で提供しているという、最も大きいメリットのひとつと言えます。

(9)定量供給機(オプションです、標準ではありません)

着色する必要があれば、マスターバッジという顔料を定量で供給していく装置が必要です。手投入ではバラつきが出てしまうでしょう。これもいらない場合はいらないと言っていただければ結構です。

しかし、例えば中国に生産したペレットを輸出するという場合、実は中国は色が均一のものでないと輸入を認めてくれない、通関ができません。しかも罰金が1コンテナーにつき800万円かかります。この場合雑色のペレット、これの通関が認められません。そうすると中国に輸出するには黒に着色する必要がでてきます。そのときに、黒のマスターバッジを手で目分量で入れると、これも作業者によって色のムラが出たり、一人の作業者がしたとしても色ムラがでたりします。この色ムラがでると中国の通関で指摘されたら800万円です。
ですので顔料を定量で一定で入れていく定量供給機、これは輸出するような場合には必ず必要ではないでしょうか。

(10)振動ふるい機

これも非常に必要です。2つの側面から必要と言えます。

ひとつは、上述のように中国輸出したときに均一な大きさのペレットを出荷しなければならないということ。(摘発されたら罰金800万円です)
もうひとつは、そもそも再生ペレットを使って製品を作る側からの要求です。特にフィルムとかシートとか射出成形など、ペレットの形状にばらつきがありますと、ホッパーからスクリューに入る樹脂の量が変わってしまうのです。樹脂の入り方が変わると、樹脂の出方が変わってしまいます。
そのダイスからの出方が変わってしまうとフィルムが厚くなったり薄くなったり、穴があいたりという事がおきてきます。シートが厚くなったり薄くなることも出てきます。

製品の製造現場では、こういう事が起こってはいけないので原料の大きさを統一したペレットを出荷しなくてはならないのです。大きすぎるペレットや小さすぎるペレットは分級しなければなりません。それをするための機器が、(10)の振動ふるい機です。

(11)サイロタンクの自動計量・自動充填器

梱包作業を大幅に省力化できます。だいたい500kgフレコンとか700kgフレコン、1トンフレコンに入れるケースが最近は増えてきております。その場合でもフレコンがいっぱいになったら何kgか人が見に行って重量を見ながら調整して入れて500kgぴったり、700kgぴったり、1トンぴったりにして人間が梱包して運び出しています。
自動計量・自動充填システムは、それを重量を自動で測ることができます。そして梱包も設定したキロ数になったらぴたっと止まるので、あとはフレコンを閉じるだけです。

このように、計量・充填について大きく省力化することができます。これは非常に大きな省力化のメリットになると思います。

(12)PLCコントロールパネル

これは最近までは標準仕様ではなかったのですが標準仕様になりました。PLCでのコントロールシステムによって配合や運転条件などを記録して覚えさせておいて、この材料であればこの条件、一回条件が決まればこの条件を繰り返し再現することができます。

さらに重要なのが、故障時にPOLYSTARの本社が遠隔操作でどこがトラブルになっているかこれを探ることができます。これにより原因の究明が非常に短時間で済む可能性があります。これは機械が止まるダウンタイムを短くするという意味では大きな力を発揮します。

押出機の周辺装置の解説はここまでになります。

参考記事:POLYSTAR押出機のパーツ・オプション解説ページ

押出機の本体の標準仕様について解説

ホッパー/スクリューコンベア

ここの上にフレコンを吊るして粉砕材料をフィードしていきます。下のホッパーはスクリューコンベアがついていて、上のホッパーに供給します。供給のコントロールですが、ホッパーにレベルサンサーがついており、レベルセンサーが感知するとコンベアが止まるように制御されています。

押出機本体

スクリューは L/Dは34:1です。L/D というのはスクリューの長さを表すときに使う比率のことです。スクリューの直径に対して長さがどのくらいかを表しています。スクリューの直径を34倍すると、それがスクリューの長さになります。

材質

SACM645を使用しています。表面窒化処理と研磨がされております。もともとの鋼材も大同特殊鋼という日本の鋼材メーカーの特殊鋼を使用しています。信頼性の高い鋼材を使用しています。

バレル

バレルあるいはシリンダーともいいますけれどもスクリューを格納している円筒状の筒がシリンダーです、この材料もSACM 645で表面窒化処理しております。大同特殊鋼製です。

ダブルベント

ベントはダブルベントが標準です。脱気力を1ベントよりもアップさせています。

真空ポンプ

そしてベントには真空ポンプが繋がっています。真空ポンプが繋がって水蒸気やガスを吸引して再生樹脂の品質向上とともに作業環境を改善することができます。ガスが発生して工場がガスで充満するということを防ぐことができます。

ヒーティングゾーンバレル

バンドヒーターがシリンダーに巻かれてあります。そしてこの一つ一つ下に冷却ブロアがあり、温度コントロールをします。

メインモーター・インバータ

モーターはポリスターの標準はドイツのシーメンス製です。そしてインバーターは日本の富士電機製で、これが標準となっております。

ギアボックス

台湾のトップメーカーである三隆社のギアボックスを使用です。

フィルター、スクリーンチェンジャー

スクリーンチェンジャーは油圧のピストンで動かしております。スクリーンフィルターはデュアルピストンシステムという2つのシリンダーを使ってなるべくろ過面積が大きいように円柱状のフィルターを使っているのがこのデュアルピストンスクリーンチェンジャーの特徴でもあります。

ペレタイズユニット

ホットカットシステム、ダイフェイスカッティングともいいます。ホットカットシステムを標準としております。モーターとインバーターこれによって刃の回転数の自動制御をしています。自動制御と手動モードは両方選択がスイッチ一つで可能です。

ペレット冷却搬送ユニット

これについてはペレットを水で冷却してそれを遠心分離機という脱水機で脱水してその後ふるいにふるってサイロタンクに入っていきます。サイロタンクは自動計量充填システムがついています。

コントロールパネル

電気部品シュナイダー、温調器オムロン、無接点リレーそれから圧力機これ全部国際的なトップメーカーの物を使用しております。

以上でPOLYSTAR社のRepro-Directの標準仕様を解説させていただきました。

押出機Repro-Directのパンフレット解説

これも重複はありますが、Repro-Directのパンフレットを解説したページもあります。

併せてご覧ください。

パンフレット解説の動画バージョンあります。

疑問点、ご質問あるいはご要望があれば弊社ファーイーストネットワークのウェブサイト問合せからコンタクトをお願いいたします。


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