このページでは、台湾のナンバーワンブランドであるPOLYSTAR社の押出機Repro-Flex、この機種の標準仕様について標準仕様についての解説をいたします。 動画版はこちらです。
Repro-FlexはPOLYSTAR社が生産している主力機種です。
このRepro-Flexは30年ほど前に、オーストリアの会社が開発した仕様で、当時の発想にはない画期的な新しいタイプでした。
押出機に粉砕機(カッターコンパクターと呼ばれる)が直結されています。押出機のスクリューの真横に粉砕機が接続されているので、粉砕をしながらそのまま押出機のスクリューに供給をすることができます。
昔はフィルムの再生をするというと、①粉砕機でフィルムを粉砕②タンクに粉砕品を貯留③タンクから切り出して押出機に押し込んでいく供給装置の3つ設備が必要でした。
しかし、この方式によって①大幅なスペースの削減と②省力化、そして③生産性の向上が一気に達成されたことで、昨今ではフィルムのリサイクルではこのタイプ、実はカッターコンパクタータイプの押出機が主流になりつつあります。
Repro-Flexはこのカッターコンパクター付の押出機です。
参考記事:カッターコンパクターについての詳細解説
それではその標準の仕様を見て行く前にこの機械がだいたいどのような処理の工程を得るのかというのを3 D の動画でわかりやすくまとめてあるのでご覧ください。↓
ざっとした流れをご覧いただいたところで、Repro-Flexの標準仕様の解説をさせていただきます。
標準装備になっている周辺機器 POLYSTAR押出機 Repro-Flex
POLYSTAR押出機に標準で付属している周辺機器についてご紹介します。
(1)ダブルベント
ベントの数はダブルベントが標準仕様となっております。より高い脱ガス効果を得るために1ベントではなく2ベントにしています。
(2)スクリーンチェンジャー
デュアルピストンのスクリーンチェンジャーを採用しておりまして、円柱状のピストンはより広いフィルタレーションの範囲を確保することで、スクリーンの交換のタイミングをなるべく間隔を長くすることに寄与します。
デュアルピストンスクリーンチェンジャーのメリットはもう一つあり、シリンダーが2本あるので、1つが詰まってももう1つで生産を継続することができます。
つまり連続生産ができるというところが大きなメリットのひとつとなっています。
昔はひとつのフィルターだけしか付いていなくて、これを交換するために押出機のスクリューまで止めなければならなかったのです。
これをこのデュアルピストンのスクリーンチェンジャーによって連続で生産することができるということで生産性をアップさせています。
(3)真空ポンプ
1ベントではなく2ベントが標準ですが、ここから出てくるガスを真空ポンプでひいています。
(4)脱水機
遠心分離式の脱水機が標準仕様です。ホットカットで水と一緒に出てきたペレットをこの遠心分離機の中で高速で回るブレードで水とペレットを分離します。
(5)金属探知機
これはベルトコンベアにつけます。押出機というのは金属には非常に弱いということをぜひ覚えておいていただければと思います。
もし万が一スクラップの中に金属、が混入していた場合、中のスクリューやシリンダーぺレダイザーこういったものに甚大なダメージ与えてしまうことになります。そのために金属探知機は標準としていただいています。
(6)カッターコンパクター
1台4役をこなす、Repro-Flexの心臓部であるユニットです。①粉砕②供給③溶融④ストック、こういった機能を1台でできるということでRepro-Flexの省スペース、省力化、そして高い生産性、これを実現できるのはカッターコンパクターの役割によるものです。
(7)ホットカットペレタイザー 回転数自動制御システム
これは省力化には非常に有効なペレタイザー方式です。しかし、トラブルが意外と多い部分でもありました。このトラブルを減らすために①回転数の自動制御システム、それから均一なペレットサイズを保つというために②エアシリンダーシステムを採用しました。
(8) ホットカットペレタイザー エアシリンダシステム
回転刃エアシリンダー圧力の自動調整これによって作業者のセッティングの優劣を排除することができるのです。以前は作業者によるスキルの差がトラブルとなっていましたが、作業者による差をなくすということにも成功しています。熟練作業者がやるとトラブルがないけれど新米がやるとトラブル多発、こういうことがなくなるわけです。
このホットカットペレタイザーに付与されている機能ですが、ヨーロッパのメーカーに標準で搭載されている機能です。これを非常に格安なシステムで得ることができるというのがこのPOLYSTARの大きなメリットのひとつになっています。
(9)定量供給機
お客様の着色要望これがあった場合は、顔料を練り込んだマスターバッジを定量で供給してくことが必要です。通常2%程度加えれば色は染まりますが、この2%を自動で供給していく定量供給機、この選択はオプションになります。
作ったペレットを輸出で中国に輸出したいという場合、中国は色・形。サイズが均一のものしか通関できません。
均一のものというのは例えば雑色バラバラの色のペレットをペレット加工しますと緑色あるいはいろんな色に混ざってしまいます。色が均一でなくなるので、中国で通関ができません。
従ってこの時は黒のマスターバッジを入れて雑色ペレットを全部黒にするということが必要になってきます。その時この定量供給機というのがあると非常に効率的に省力化をして着色をすることができます。
(10)振動ふるい機
ユーザーは均一なペレット、大きさも同じペレットを要求してきます。その時に大きすぎるペレットや小さすぎるベレットを分級する必要があります。
これを行うのがこの振動ふるい機です。これができれば均質なペレットをお客様に納品することができます。これまた先の着色の時の中国の通関の話と同じですが、中国は色の統一とあと形の大きさの統一も求められます。
なので、振動ふるい機は必須と思われます。
(11)サイロタンク(材料タンク)
タンクから材料をフレコンに詰め替えるときに、自動計量・自動充填システムがついています。梱包作業にかかる時間を大幅に縮小できます。
(12)PLCコントロールパネル
従来コントロールパネルはマニュアルのものでしたが、今はタッチパネル方式が標準となりました。
タッチパネル方式にするメリットとしては、POLYSTAR本社からオンラインで遠隔診断が可能になることです。原因の究明が非常に速くなり、ダウンタイムが短く済みます。
押出機本体の標準仕様
押出機本体部分についての標準仕様を解説していきます。
搬送ユニット
ベルトコンベア
ベルトコンベアで供給のコントロールの役割をしています。カッターコンパクター次の工程のカッターコンパクターの中の電気の負荷を拾い、ベルトコンベアが自動制御されて供給していきます。
材料がなければどんどん材料を投入しますし、負荷が高くなってくると止まるという設定を施してあります。
省スペース、省力化、それから生産量の増大、これを同時に実現できるのは、カッターコンパクターの働きによるものです。
押出ユニット
カッターコンパクター
参考記事:カッターコンパクターについての詳細解説
押出スクリュー
スクリューは材質 SACM645で、大同特殊鋼の鋼材を使用しています。日本製の信頼性の高い材料を使用しています。表面窒化処理そして研磨を施してあります。
メッキ加工はオプションです。十分硬い素材ですのでメッキ加工は通常はなしというのがメーカーの考え方です。
バレル(シリンダー)
スクリューと同様の材料を使用しており、SACM[645で大同特殊鋼製です。ガス抜きをするベント、これを1ベントではなく2ベントにして脱気力をアップしています。さらに真空ポンプをつけて脱気力をさらにさらにアップさせ、ガスが空気中に拡散しないようにすることが可能です。工場の作業環境を改善することにもつながります。ヒーティングゾーンは電熱ヒーターです。ヒーターによる加熱、そして加熱しすぎた時はバレルの下の空冷のブロアで温度のコントロールを行います。
メインモータはシーメンス製、そしてインバーターは富士電機製です。
ギアボックスは台湾トップメーカーである三隆社製です。
フィルターシステム
これはスクリーンチェンジャーです、圧力計により樹脂圧を検知してスクリーンチェンジャーを交換(手動)します。
スクリーンフィルターはデュアルピストンのスクリーンフィルターで、連続生産が可能です。円柱状のシリンダーを採用してろ過面積を多くとることで網交換の間隔をなるべく長くするというリサイクル仕様になっています。
ペレタイズユット
標準仕様はホットカットシステムです。ストランドカットも選択は可能です。値段も変わりません。標準仕様ははホットカットシステム(ダイフェイスカッティング)というのが標準仕様です。
回転数の自動制御システムがあり、手動モードと自動制御モードを選ぶことが可能です。そしてトラブルを少なくするエアシリンダーによる圧力のコントロールシステムを採用し、トラブルを大幅に減らすことに成功しています。
ペレットの搬送ユニットにいきます。遠心分離機による脱水のあと振動ふるい機で分級します。均一なペレットサイズを確保するために必要な工程です。
サイロタンクには自動計量・充填システムがついており、梱包作業の省力化になっています。
コントロールパネルは、PLCが標準です。
見積もり書の仕様書に基づいた解説はここまでとなります。
Repro-Flexのパンフレット解説
パンフレットのページに沿ってページ毎に解説しているページです。動画バージョンもあります。
上記の解説と重複している部分もありますが、より深い理解につながれば幸いです。
次はおまけですが、もう1回レイアウト図面を使ってさらっとおさらいをします。
POLYSTAR 押出機 Repfo-Flex レイアウト図による解説
重複もありますが、おさらいなのでご了承ください。
ベルトコンベア:ベルトコンベアが自動制御で供給をカッターコンパクターにします。
金属探知機:ベルトコンベア上にあります。金属探知機で押出機が重大なダメージを受けることを回避します。
カッタコンパクター:フィルムの再生には圧倒的な力を発揮します。①破砕②溶融それから③ストック④供給、1台で4役の活躍をしますのでこれによって大変な省スペースそして生産量の増大省力化、これらを一気に果たすことができるのがこのカッタコンパクターシステムになります。
ニップローラー:これはオプションです。フィルムのロールを前処理なしでロールのまま食い込ませていくことができます。ロールの供給には大きな省力化を達成することができます。
押出機本体:シリンダーに2つベント1つではなく脱気性能を高めるために2つベントがあいてあります。更に真空ポンプで強制的に排気させます。
レーザーフィルター:オプションです。非常に高価なオプションです。これは標準仕様ではございません。レーザーフィルターをつけると完全無人で異物を除去できます。
ペレタイザー:ホットカット方式のペレタイザーで、回転数自動制御とエアーシリンダーシステムが格安で搭載されています。これによってトラブルが激減し、作業者が誰であっても生産ができるというシステムを達成しています。
脱水機:遠心分離方式の脱水機の後には振動ふるい機があり、均一なペレットを抽出します。
サイロタンク:サイロタンクには自動計量充填システムが搭載されており、梱包作業の軽減が図られています。
全体を通して、より省力化することに焦点を当てた設計思想になっており、より少ない人数で生産をするということが可能になっております。
カッターコンパクタータイプのRepro-Flexの標準仕様について解説をさせていただきました。
フィルムの再生加工においては非常に大きな力を発揮するRepro-Flexです。
このページの解説で、疑問点、質問あるいはご要望などがある場合は弊社ファーイーストネットワークのウェブサイトからコンタクトをお願いします。