再生原料がバージン原料にかなわない8つの特徴とは?

再生原料がバージン原料にかなわない理由

再生プラスチックがバージン原料に置き換われない部分や理由は何か、整理してみます。
なかなか考える機会がないテーマですが、この間ある方から質問がありまして。

順番などは整理していませんが、思いつくままに記していきます。

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1)数量の限定性

リサイクル原料は、数量が限られています。メインの製品のあくまでも副産物ですので、「欲しいだけ発注」「必要なきだけ発注」ということができません。

また、だいたいの相場というものはありますが、大抵他社と仕入れのための単価競争があり、単価競争に負けると「原材料がない!」という事態に陥る可能性があるのです。

バージン原料であれば、必要なときに、必要な量だけ購入すればよいでしょう。しかし、再生原料にはどうしても数量の限定性があるために、大量に生産が必要な新製品の企画には組み込むことができません。仕入れの計算がたたないですし、仕入れが確実に続くという保証がないのです。

再生原料は、機動性という点でバージン原料に及びません。

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2)色の問題

色の問題と言うのはやはり出てきますね。

スクラップが透明のものであれば、再生プラスチックをもう1回溶かして再生ペレットにしても透明なものができます。

多少は色が焼けることはありますが、基本的に透明の同じ色でできます。これは製品の色に応じて自由に着色ができるということです。この部分が透明のスクラップがどの樹脂でも大人気な理由はこの部分です。

一方で、色がついてるスクラップや印刷があることになると、再生原料の色は黒に着色するしかないのです。
そして、黒になってしまうと、一般の商品には使いづらいということが出てきます。

だから、だいたい再生原料というのは黒が多くなります。そして、その黒い原料が使われる製品というのは、人目に触れる部分に使われる製品よりも、人目につかない製品に使われることが多くなります。

例えば、建材のなかで再生原料が使われた製品は大抵、屋根の下、壁の中、床の下、土の中などです。人が見えないところに使われるということが非常に多いわけです。

ということで、色というのが再生原料の制約要因となることが多く、ここはバージン原料にはかなわない部分になります。

参考記事:
プラスチックリサイクルビジネスの収支計画の立て方

3)物性の劣化

それから再生原料がバージン原料に比べてどうしても物性面で劣ってしまいます。
樹脂は熱が加わる度に、少しずつ物性が落ちてしまいます。

なぜかというと、プラスチックは熱がかかりますと熱履歴が増えていくことになります。熱履歴は一度かかるごとに少しずつ、熱のかけ方にもよりますが、性能が劣化していくことになります。
再生原料というのは、熱履歴が多くならざるを得ません。
バージン原料に比べて、平均すると2回から3回は多くなってしまいます。

粉砕されたスクラップをペレットにするために一度溶かして、熱履歴1回。
その再生ペレットの改質するために溶かして、さらに1回。
完成した再生原料を成型するために溶かして、また1回。

これでバージン原料より熱履歴が3回ほど多くなっています。

4)加水分解の可能性がある

再生原料を作る過程で、その原料の中に水分が入っているとします。実は水、これが樹脂と一緒に溶けていると、加水分解という現象を起こして、分解されて劣化を進めることになります。

4)強化繊維ガラスなどが破壊される

強化ガラス繊維が入ったプラスチック、これをリサイクルする場合代表的なものにガラス繊維のグラスファイバーと呼ばれるものがあります。

これがリサイクルされる工程でガラス繊維が再生過程で粉砕されて短くなり、強化する性能が落ちます。

そして更に、もう1回スクリューの中で練られてまた繊維が短くなる。

このように、強化繊維がどんどん破壊されていくことによって破断されていくことによって、樹脂が弱くなっていきます。

5)異物混入

再生原料がバージン原料にかなわない部分としては、やはり異物が入るリスクというのはどうしても取り除けません。

例えば、射出成型の物流資材のパレットのような物流器具なら、多少の異物は多めに見てもらえます。
100メッシュ(異物を除去する網の目のサイズ)と言われるような網の目であればまあほぼ問題ないでしょう。

一方で、再生原料をフィルムに使用する場合などは、異物が見えやすいため、よりシビアです。
物流資材などよりも細かいメッシュをつけるのが一般的です。

120メッシュから150メッシュの網をかけることが多いと思います。

それでも、その網より細かい異物は通過して製品に入ってしまいます。再生原料にはメッシュ以下の異物は入っている可能性は否定できません。

これは、バージン原料にどうしてもかなわない部分ということになります。

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6)臭い

例えば容器リサイクル法の指定工場から排出されてきた再生プラスチックペレットなどは、特有の有機物の臭いがあります。

やはり洗浄しているとはいえ、食品の有機物が付着したものをいくら洗ってもある程度は残ってしまいます。

製品にしても、その臭いは微妙に残ることになり、臭いに敏感な製品などには使用できないわけです。

何か食品に触れなくても、梱包する資材に使用すると、梱包した内部に臭いがこもってクレームになることもあります。

もちろん、臭いがほとんど気にならない再生原料もありますが、一部の臭いが残っている再生原料では、バージン原料に置き換われない部分が出てきてしまうのは確かです。

7)食品分野に使いにくい

基本的に食品に触れる部分には再生原料は使用できません。食品衛生法で規制されているからです。

食品用に使用している製品もありますが、そういう場合は表面だけをバージン原料を使用して、再生原料は真ん中のあんこ材として使用します。

この部分では再生原料はバージン原料には置き換われないということになります。

ただし、最近はPET樹脂に関してはボトルtoトレー、ボトルtoボトルなど、厚生労働省に規定された手順や品質のものでは、食品用途に利用されるようになりました。

ただ、やはり一般的なリサイクルとしては基準が厳しく、設備コストが高くなり、リサイクル工場のような中小企業にはハードルが高い再生方法と言えます。

参考記事
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8)医療分野に使えない

医療の分野でも、食品と同様、再生原料を使用することができません。

注射器、点滴用の管、輸液バッグなどは再生原料は使用できません。
この分野で再生原料がバージン原料に置き換わるということはなさそうです。

さて、上記のように再生原料は用途に限りがありますが、製品の成型方法でカバーできる部分はありそうです。

シート成型のときに、真ん中の層だけを再生材料を使用して、射出成型で真ん中の層だけ再生材料にするサンドイッチ成型などがそれです。

再生原料メーカーの努力も大事ですが、ユーザー(製造側)での成型方法の工夫にも期待したいところです。

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