二軸押出機とは?仕組み・用途・単軸との違い・選び方を徹底解説

二軸押出機とは

樹脂加工において「二軸押出機」は、混練・分散・反応押出といった高度な処理を可能にする中核設備です。単軸押出機では対応が難しい複雑な材料やリサイクル用途にも強みを発揮し、品質安定・効率化・コスト削減に直結します。この記事では、設備選定で失敗しないために「仕組み」「用途」「単軸との違い」「選び方」を徹底解説します。


樹脂加工用二軸押出機とは?

二軸押出機の基本構造

  • スクリュー:原料を搬送・混練する心臓部。径や長さ、形状で性能が変わる。
  • バレル:加熱・冷却を行う筒状部分。温度制御精度が品質を左右。
  • 駆動方式:モーター・ギアでスクリューを回転。高トルク型は難処理材料に有効。
  • 温度制御:ゾーンごとの加熱・冷却で樹脂特性を最適化。

二軸押出機の種類

  • 同方向回転二軸押出機:混練性能が高く、コンパウンド用途に最適。
  • 異方向回転二軸押出機:圧縮力が強く、成形安定性に優れる。
  • かみ合い型/非かみ合い型:かみ合い型は分散性能が高く、非かみ合い型は搬送力重視。

二軸押出機が樹脂加工で使われる理由

混練・分散性能が高い理由

  • フィラー分散:ガラス繊維や炭素繊維を均一に分散。
  • 添加剤の均一化:難分散材料でも均質化可能。
  • 高機能樹脂対応:エンプラや難加工材料にも対応。

反応押出・脱揮への強み

  • 反応制御:樹脂改質や反応押出に対応。
  • 揮発成分除去:脱揮ゾーンでガスや水分を効率的に除去。
  • 高機能樹脂対応:耐熱・高強度材料の加工に適する。

単軸押出機との違い【比較表あり】

項目 単軸押出機 二軸押出機
混練性能
処理可能材料 限定的 多様
設備コスト 中〜高
メンテナンス性
用途別適性 単純成形 コンパウンド・リサイクル・特殊用途

単軸押出機との違い

単軸押出機は1本のスクリューで樹脂を搬送・成形するため構造がシンプルでコストも低く、単純な成形用途に適しています。

一方、二軸押出機は2本のスクリューが協調して回転し、樹脂や添加剤を強力に混練・分散できるのが特徴です。複雑な材料配合やリサイクル用途、反応押出など高度な加工に対応でき、品質安定や効率化に優れています。

つまり、単軸は「搬送・成形中心」、二軸は「混練・複合加工中心」と用途が明確に分かれます。


樹脂加工における二軸押出機の主な用途

コンパウンド(ペレット化)

  • エンプラ(エンジニアリングプラスチック)
  • フィラー配合(ガラス繊維・炭素繊維)
  • 難分散材料の均質化

リサイクル・再生樹脂加工

  • マテリアルリサイクル
  • 脱揮・異物除去
  • 物性回復による再利用

特殊用途

  • マスターバッチ製造
  • 反応押出(樹脂改質)
  • 医療・食品向け樹脂(安全性・衛生管理が必須)

樹脂加工用二軸押出機の選び方【失敗しない5つのポイント】

  1. 処理材料(樹脂種類・フィラー):対象樹脂の特性に合った機種選定。
  2. スクリュー径・L/D:処理量・混練性能に直結。
  3. トルク・回転数:難処理材料には高トルク型が有効。
  4. 脱揮・ベント構成:リサイクル用途では必須。
  5. メンテナンス性・将来拡張性:長期的な投資効果を考慮。

選定ポイント

選定ポイント 解説・チェック項目
スクリュー径・L/D比 生産量・滞留時間・混練性能に直結。用途・材料に合わせて最適化
回転方向・噛合い方式 同方向回転(高混練・分散)、異方向回転(低温・脱気・熱安定性)
材料適応性 高フィラー・リサイクル材・バイオマス・難燃材などの対応力
脱気・ベント構造 ガス抜き性能・揮発成分除去の効率性
耐摩耗・耐腐食性 スクリュー・バレル材質の選定(超硬・窒化鋼・合金鋼等)
操作性・自動化 タッチパネル・プロセスコントローラー・IoT対応
アフターサポート 保守・メンテナンス・部品供給体制

 


二軸押出機メーカー・導入形態の考え方

国内メーカーと海外メーカーの特徴

  • 国内メーカー:技術力・サポート体制が強み。
  • 海外メーカー:高性能機種が多いが納期・価格帯に注意。

主要メーカーと製品特徴(2026年最新)

メーカー名 主力製品 特徴・強み 価格帯(参考)
コペリオン(独) ZSK Mc18 タンデム式 高トルク・大容量・幅広い材料対応 5,000万〜5億円
STEER JAPAN OMegaシリーズ 高混練・省エネ・特殊エレメント 5,000万〜3億円
日本製鋼所(JSW) TEXシリーズ 高トルク・高脱気・豊富な実績 5,000万〜4億円
シーティーイー(CTE) HTM型タンデム式 非噛合い異方向・高脱気・低温押出 3,000万〜2億円
芝浦機械 TEMシリーズ 小型〜大型・高混練・多用途 3,000万〜3億円
プラスチック工学研究所 小型高トルク機 研究開発・微量混練・省スペース 500万〜1億円

差別化ポイント

新品・中古・テスト機の選択肢

  • 新品:最新技術を導入可能。
  • 中古:コストを抑えたい企業向け。保証はなし。自社でのメンテ機能がない場合は避けるべき。
  • テスト機:導入前の試験運転に有効。特殊な構成の機種はテスト機がない場合あり。

代表的な導入事例

業種 導入前の課題 二軸押出機導入後の効果
自動車部品メーカー 高フィラー材の混練ムラ・品質不良 自動車部品メーカー 歩留まり向上・不良率半減・生産性1.5倍
リサイクルメーカー 再生材のガス残り・焼け・物性劣化 脱気性能向上・安定品質・材料コスト20%削減
建材メーカー 木粉コンパウンドの色ムラ・乾燥工程負担 事前乾燥不要・色ムラ解消・省エネ
化学メーカー バイオマス樹脂の熱劣化・分散不良 低温混練・安定分散・新規材料開発に成功

 

よくある質問(FAQ)

  • Q. 二軸押出機はどんな樹脂に向いていますか?
    → エンプラ、フィラー入り樹脂、リサイクル材など幅広く対応可能。
  • Q. リサイクル材でも使えますか?
    → 脱揮・異物除去機能により再生材の品質を安定化。高い混練性能により品質向上。
  • Q. 単軸から置き換える判断基準は?
    → 混練性能不足や多様な材料処理が必要な場合。
  • Q. 初期コストはどの程度?
    → 機種や仕様により数百万円〜数千万円。長期的には材料費削減で回収可能。

まとめ

二軸押出機は、樹脂加工の品質向上・効率化・コスト削減を同時に実現する設備です。単軸では対応できない複雑な材料やリサイクル用途にも強みを発揮し、競争力強化に直結します。

 

 


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